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第1話 ここはどこなんだ ~アグリサイド~

Author: 光命
last update Last Updated: 2025-02-22 19:07:20

俺は岩城亜久里

そこそこ働いて、そこそこ遊んで、そこそこの生活をして過ごしている。

どこにでもいそうな普通のサラリーマンである。

フツーが一番。

目立つのは面倒である。

今日も通勤電車に揺られながら出勤する。

そして自分の役割だけはこなす。

定時になったら、目立たぬようにそろっと帰る。

人付き合いもそこそこで、深すぎず浅すぎずの友人関係や仕事関係を保っている。

深入りしてトラブルになるのは避けたいんでね。

社畜と言われるほど会社に奉公している訳でもないし、かといってちゃらんぽらんに仕事をしている訳ではない。

ワークライフバランスっていうのかな。

何でもバランスって大事よ。

今日も与えられた任務完了して、さっさと家へ帰って筋トレして、風呂入ってから、ゲームでもするか。

朝の通勤電車の中でそんなことを頭に思い浮かべながら出勤をしていった。

~数日後の休日~

昨日の夜に動画を見ていたら、海ではしゃいでいるシーンがふと目に留まった。

まだ夏には早いけど、今日は休みだし、一人で海へ行ってみるか。

愛車の軽自動車に最低限の荷物を積み、海へと向かう。

そういえば、最近あまり遠出はしていなかったな。

インドア派だし、そんなに外へ出なくてもね。

家でゲームしたり、動画見て過ごせる。

外に出る必要性は感じないけど、たまには外に出なくちゃね。

窓を開けると海風が心地いい。

しばらく走っていると足跡もない白い砂浜が見えてきて、テンションがあがった。

近くに車を止めると、ビーサンに履き替えて、海へと突っ走っていく。

「冷たっ」

さすがに海の水は冷たく、思わず声が出てしまう。

しばらく波打ち際を歩いていたが、少し先の海の中が一瞬何かが光ったように見えた。

「なんだろう」

光が気になり、その方向に近寄っていく。

すると、潮の流れが急に早くなったのか、足が引っ張られる。

片方の足で踏ん張ってはみるものの、引っ張る力は強く、なかなか抵抗が出来ない。

みるみるうちに、海の中へ引きずり込まれてしまう。

もがけばもがくほど苦しくなる。

「もうダメかも。このまま死ぬのか……」

そのまま意識が遠のいていった。

はっと目が覚めると、そこは見覚えがない天井だった。

周りを見回す。

石で作られた壁や柱。

天蓋付きのベッド。

見たことがないものが並んでいる。

ベッドから起き上がり、窓際に行く。

閉まっていた窓を両手で押す。

まぶしい光と共に、外の景色が目に入る。

そこにはレンガや土壁の家々が立ち並んでいた。

その向こうにはぐるっと囲うように壁が立っている。

その奥には森や草原が広がっていた。

市場からは威勢のいい声が響き渡っている。

よくアニメやマンガで見ていた世界のような所だ。

俺は夢でも見ているのか?

確か、海へ遊びに行って、海の中でおぼれて……

それから、どうしたっけ?

腕を組み、上の方を向きながら考えていると、ノックの音が聞こえてきた。

押し黙って静かにしていると、さらにノックする音が聞こえてきた。

俺はふーっとため息をつきながら、仕方なく応答する。

「はい……」

扉を開けて入ってきたのは、メイド服の女性だった。

「お目覚めになられましたか」

まだうまく状況が呑み込めていない。

混乱した中、メイド服の女性に返答をする。

「えーっと、誰?」

きちんとした姿勢のメイド服の女性が、きょとんとした顔をして受け答えをしはじめた。

「私ですか? 私は貴方様のお世話を仰せつかっているマリアと申します」

落ち着いた声のメイドだ。

俺が目覚めたことにホッとした様子で、さらに話を続けた。

「ようやくお目覚めになりましたか。

 召喚されてからずっと寝たままで、心配をしていました」

用意してあるコップに水を入れ、俺に手渡してきた。

今は他には誰もいない。

どういう状況ののかはまずはこの子に聞くしかないと思った俺は、マリアに話し始めた。

「ここはどこなんだ?

 なぜ俺はここにいるんだ?」

なんとも言えない怒りのようなものも込み上げてくる。

そのためか、一気に息を吐くように喋ってしまった。

「まずは落ち着いていただけますと……」

少し眉をひそめ、困った表情を浮かべるマリア

そしてゆっくりと話し出す。

「ここは、アウレストリア王国の首都セントハムになります」

さらに落ち着いた口調で話を続けてきた。

「貴方様は、この国を守る勇者様として、召喚されました。

 召喚直後に気を失われてしまい、国王様のご命令でここで私が介抱をしておりました」

王国?

召喚?

勇者?

現代とは思えない単語が並ぶ。

…………?

ここは、今までいたところと違うところなのかもしれない……

どうやら、俺は現代とは違う世界に召喚されたらしい。

アニメやマンガでよく見た話だが、本当にそんなことがあるのか……

ああいうのは、現代で不遇な主人公が死んで、転生して異世界で無双するって話だろ。

でも俺はそこまで不遇だとは思っていないし。

あれは不遇じゃないとならないんじゃないのか。

(※あくまでも個人の感想です)

どうしたらいいか不安にかられる俺は、再度マリアに思いをぶつける。

「それで、俺はここでどうなるんだ?

 俺はそれなりに楽しく暮らしていたんだよ!

 その生活に満足していたし、よくある異世界転生者の前世とは違うんだ!

 頼むから帰してくれよ!」

まくし立てるように、マリアに突っかかっていった。

「そう、仰られても、私にはわかりません……」

話しながら、マリアは顔をそらした。

そして、ため息をついた後に、話を続けた。

「ここに呼ばれた経緯に関しましては、国王様がお話しくださると思います。

 まずは目覚められたことを国王様にご報告してまいります。」

俺から、二歩三歩離れると、入口の扉に向かっていった。

怒りをそらされてしまった。

やり場のない怒りが心の中を覆う。

本当に違う世界へ来てしまったのだろうか。

こういう場合、頬を抓って夢かどうか確認するというのがあったな。

やってみるか……

「痛っ」

抓った頬が赤くなってきた。

どうやら、本当のことらしい。

だとすると、よくあるアニメ通り、強くなって無双して、あれ俺何かやっちゃいましたかってなるのかな。

ただ見た目は変わってない。

そんな力もついている感じもしない。

謎だらけだ。

とにかくマリアが来るまで待って、国王と話をするしかなさそうだ。

しばらくすると、マリアが入ってきた。

「国王様がお呼びです。

 玉座の間に来て欲しいとのことです」

とにかく会ったら、いろいろと聞こう。

そう考えながら、身支度をする。

準備をし終わると、外で待っていたマリアの後についていった。

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  • モブな転移勇者♂がもらった剣にはチートな史上最強元魔王♀が封印されている   第143話 アスビモはどこにいるのか ~ソフィアサイド~

    「そう言えば、アスビモの居場所つかめていないのに、どこに行くんだ」せっかくアスビモの奴を倒そうとやる気が満ちておるところじゃったのに…… あやつは興醒めする発言をするのぅ。「そんなものどうにでもなるじゃろ。  第一、今までも居場所を掴めておらんのじゃ。  そう簡単に見つかる訳がないじゃろぅ」こうなったら、この国を隈なく探す他ないじゃろ。 どこかにはアスビモの奴の居場所を知るものが必ずおるしのぅ。「それでも闇雲にって訳にはいかないだろう。  この広い大陸をどうやって探していくのさ」あやつの言いたいことは分からんでもないのだが……「まぁ、それはとりあえずじゃな……  シータの転移魔法で行けるところに行ってじゃな」ワシがシータの名前をだすとシータは驚いた様子で、自分を指したのじゃ。「えっ、おいどんですか?  ゾルダ様が言うのであればやりますが、それでも限界はありますの」顔が曇ったように見えたのじゃが、お前ならやれるじゃろ。「お嬢様、さすがにそれは厳しいかと……」セバスチャンまで反対するのかのぅ…… そこまで大変ではないと思うのじゃが…… あっ、そうだ!「シータが出来なくなったら、ワシがやる!」これならどうじゃ。 ワシが転移魔法使えばさらに行ける場所も増えるじゃろ。 自慢げにそう言ったのじゃが……「それだけは勘弁してくれの」「それだけは止めてくれ」「それだけは自重していただきたく」あやつ、シータ、セバスチャンが同時に止めに入ってきたのじゃ。 そんなにワシの転移魔法は当てにならんのかのぅ。「ふふふふふ……  そんなにゾルダちゃんをいじめなくても……」姉貴がワシのことを庇ってくれるのは嬉しいのぅ。「姉貴……」「もう、ゾルダちゃんばかりズルいわ。  わっちにもっと言葉責めを……」姉貴は顔を赤らめて、悶えておる。 ワシは姉貴を尊敬はしておるが、このところだけはどうにも理解できんのぅ。 とりあえず、放っておくかのぅ。「ローラー作戦も最終手段としては考えるとして……  そう言えば、ゼドは知らないの? アスビモの居場所」あやつは、うなだれるゼドに問いかけておる。「……  余も詳しくは知らないが……」ゼドの奴、まだその一人称使うのか。 何かまだ話そうとしておるようじゃが、ワシの気持ちが収まらん。「

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